f1a85c55.JPGボンジュール!ワタシは9月にジャポンに来日しました、パリジャンでピシ、ランドロードといいます。今回はトーキョーの青年座というカンパニーのスペクタルに出演するためにやって来ました。ジャポンは初めてです。パリでヒトシという日本人の友人がいましたが今は旅に出ているらしく連絡は取れません。彼に似ているということで彼の代役を頼まれてやって来ました。
ジャポンの第一印象は「プチ!」です。ナリタも小さいです。電車もとても正確ですが小さいです。ジャポンのムッシュもマダムもマドモアゼルも話してみるとフレンドリーな人が多いですが、街中で見掛ける人々が難しい顔をして疲れている人がとっても沢山なのが気になりました。パリのメトロでも早足で歩く人をよく見掛けましたが、トーキョーのが早い、しかもみんなです。シャイな人が多いのでしょうか?電車でも街中でも人と眼が会いません。みんな足元を見て歩いている人がいっぱいです。道を譲ってもらったり、ぶつかったりしても何も言わない人が多いですから、やっぱりシャイな国なんだと思います。
電車の混み方は信じられません。ニュースで、電車に人を押し込む仕事の人がいることは知っていましたが、本当にスゴイです!フランスだったら暴動が起きていると思います。ジャポンは我慢強い国だと思いますです。ヨッパライの人が多いのも驚きますね、フランスはワインの国ですから昼からでも飲みますけど、電車の中で寝てしまったり、まっすぐ歩けない人はあまりいません。
 さて、青年座の建物は小田急線の代々木八幡という駅の近くです。プチな街ですが、ワタシは好きです。青年座カンパニーは歴史もあるとっても大きなカンパニーです。全部で200人位いるそうで驚きです。たぶんこういう大きなゲキダンというのはジャポン独特なものだと思います。リハーサルは十月の八日から始まりました。初めの十日間はホンヨミという、デスクワークです。日本語があまり得意では無いですからとても難しかったです。しかもキューシューという場所のスペクタクルなのでミヤザキベンという独特の言葉を使うそうです。日本人なのに日本語を一生懸命勉強しているアクトールを見ていると、日本人は勤勉なんだなあと感心します。もともと日本語の発音が上手では無いワタシは、下手を誤魔化せるので助かっています。今回のスペクタクルは小学校の先生の話です。ワタシは学生時代に学校の先生になりたいと思っていたこともありましたから、とても楽しんでいます。青年座のアクトールの皆さんはとてもマジメな人たちです、スクリプトの言葉一つ一つをとても大切にしていらっしゃいます。ステージセットもとても細かくリアルで、学級新聞などの、小道具というんだそうですが、紙面も本当に作っていて、読んでいて楽しくなります。セットの職員室も日本人が観たらきっと、ああ懐かしいなあと思われるようなものに出来上がっているそうです。リハーサルはあまり止めることなく場面を通して行われています。フランスでは即興劇が盛んですので、ワタシには向いているように思われます。ディレクターはクロイワさんという日本人です。彼の話は、ダメダシというのだそうですが、とても細かくキチョウメンです。日本人のアクトールはとても真摯に聞いていますが、フランス人のワタシには少し長いです。フランス人はおしゃべりが大好きですが、ワインも食事も無しでは少し長いです。まあワタシには日本語の半分以上が解りませんが。
 本番まで二週間、外国人として、お互いの良い所悪い所を、理解しながら吸収し合えれば幸せだと思っています。ちなみに本番はヒトシの名前で出演します。

ps ヒトシ、これを読んだら連絡下さい。

                             ピシ、ランドロード