製作部の村井でちゅ。
10月に入団したばかりの私にとって、はじめてできた後輩がニワトリのサンチェスでした。これからサンチェスと一緒に電話番したり、お茶くみしたり、折り込みへ行ったり、営業に行ったりできるのだと夢見ておりました。

ところがです。ある日突然、サンチェスに解雇通知が届きました。解雇理由は「あおげばとうとし」の稽古をたびたび邪魔するからということでした。「青年座にとってサンチェスはかけがえのない存在です」と私は必死に訴えました。しかし、上司は「ニワトリに給料は払えん」と言って、私の言葉に耳を傾けてくれませんでした。

そんなこんながあって、私は本日、サンチェスを故郷のあきる野市へ送り届けてきました。別れ際、サンチェスは言うのです。「もっともっと青年座にいたかったよ」と。それを聞いた私は、自分の無力さにやるせなさを感じ、大粒の涙を流してしまいました。涙のおかげで、マスカラが落ちたことは言うまでもありません。私は心の声で叫びました。「ごめんよ、ごめんよ、サンチェス」と。