810a4fa5.jpg 早いもので、『あおげばとうとし』の公演も7日目になりました。私達新人にとってはじめての公演で、新しいことの連続に緊張、驚きの毎日を送っています。
 昨日は、じつは客席でお客様と一緒に舞台を観させていただいたのですが、通し稽古やゲネプロの時とはまったく違った印象を受けました。鑑賞されている方皆さんが笑っているとつられておかしくなるし、ラストで泣いている方がちらほら居ると、私もつられて貰い泣き。演劇って、観客も一体になって作っていくものだなあというのを強く実感しました。また、手前味噌で恐縮なのですが、昨日は私の恩師が観客としていらして下さったので「仰げば尊し」の曲への感動も一入といった部分もあり、ついホロリと。こうやって、自分やスタッフに関わりのある方や、はたまた新聞やチラシ、さまざまな媒体での紹介から興味を持ってくださった方が劇場に足を運んでくださるというのは本当にありがたいことです。皆様のご期待にスタッフの一員として応えていかなければいけないなあ、と再認識させられます。
 また、今回観て思ったのが「観る場所によって全然、印象が違う!!」ということ。たとえば、もうご覧になった方はお気づきかと思うのですが、とにかくセットが緻密に作りこまれています。以前ブログでも触れられていた学級新聞や、先生たちの机の上の小道具類。段ボール箱のロゴなんかにも注目。劇中で先生たちが漢字ドリルや給食袋にハンコを押していたりといったちょっとした動きが楽しいのですが、これは前列のほうでご覧になっていた方ですと、このドリルや学級新聞の文面まで緻密に作りこまれていることがお分かりになるのではないかと思います。きっと本当に職員室に入りこんだような感覚になることうけあい。現に、開演前、終演後に客席に入ると、夜の職員室に迷い込んだような不思議な気持ちになるのです…。
 反対に、後列のほうでご覧になられると、当たり前なのですが舞台全体が見渡せるのが魅力です。セリフを喋っている役者以外も、それぞれ机で仕事していたり、動作をしていたり。そこに注目していただくと、新たな発見があると思いますよ。(私が言うまでもないかもしれないですが…。)こういった丁寧な演出が、「これこそ群像劇!」という面白みにあふれていると思います。
 こんな訳ですので、既にご覧になられた方もまた楽しめると思います。まだお席には若干の余裕がございますので、二度目の方もはじめての方も是非!25日まで、本多劇場で皆様のご来場をお待ちしております!
追伸:チラシの包み紙の「学級通信」、私が挿絵も含め、楽しく書かせていただきました。読んでいただけると嬉しいです…。

製作部 松井彩香

撮影=宮川舞子