演出助手、須藤黄英。二回目の打ち合わせの時に、初めて須藤さん(今回は演出助手)にお目にかかった。
いきなりずいと一直線の質問が入った。切っ先が鋭いので書くのは差し控えるが、
一瞬にして「あ、苦手なタイプ」と僕の脳に悪カンが走った。
だが、カンはあくまでカンである。つまり僕のファーストインプレッションは全く当てにならない。
その後、何回か会話を通して、今、僕は須藤さんが大好きになっている。
人の話をスルーしない。凡俗な形容だが、会話はパスという言葉がある。
(もちろん、サッカーのパスです。演劇的な「掛け合い」とは若干意味が異なります)
パスだから受ける必要もないのだが、受ける責任もある。
須藤さんが繰り出すパスの出し方、受ける姿勢、そのセンスが美しい。
演出家ならではだろうか、全体の中の位置取りと距離感が美しい。
広角な視野は驚くほどだ。
おまけに付き合いもいい。
だからちょっとしたことでも、こちらはとても頼りにしてしまう。
そう。頼りになる人なのだ!
いつか再び会いたい人、また見つけてしまった。



尾崎太郎