『UNIQUE NESS』作・演出 早川康介氏×企画&出演 盒狭子 による対談の後編です。
◆作品を書く際に意識していることは
早川:無駄な登場人物を作らないってことを基本にしたいなと思ってます。
盒:早川さんの戯曲って基本的にはあてがきですよね。
早川:あてがきってその人の持ってる部分に当てはめて書くって思ってる人が多いですけど、本当のあてがきってその人にこれをやらせたらきっと面白いだろうっていうことだと思うんです。逆にあんなことさせたら面白いんじゃないかとか。今回だと森脇(由紀/ミセス・マクノートン役)さんですかね。僕は彼女を見てると、あの役のあの部分は森脇さんが持ってるものなんだろうなって気がします。
盒:稽古見てて、みんな役柄が自分にきわめて近い部分だから苦戦してるんじゃないかなと思うんです。人の前で出したくない自分を皆が共通でもってるような気がして。
早川:稽古を見ていたら、みんなそれぞれの役柄っぽい所を持っている気がしてきました。
◆演出をする際に意識していることは
早川:どうすればわかってもらえるかは考えています。でも僕が考えているよりもはるかに皆さん柔軟にサッと受け取ってくれる感じがします。特に山野(史人/デイビッド・グレイ役)さんはすごいですね。「こうしてください」って言った時の対応で本当にわかってくれてる人と、ただ単に「ハイハイ」って返事だけの人って見ててなんとなくわかりますけど、山野さんは何を求めているのかすぐわかって下さるので大丈夫だなって思います。
あとは………休憩の、タイミング(笑)。僕の休憩でもあり、皆さんの休憩でもあり。誰の疲労に合わせていくかっていうことも考えたり。
あとあの、僕、後頭部ぶつけちゃうので。それを気を付けてます(笑)
◆『UNIQUE NESS』という作品に込めた思い
盒:青年座が今年で60周年ということで、物語の中でも「60」にかけて下さってるんですよね。“節目”や“原点回帰”という意味も加えて頂きました。
早川:でも今は安易に「60,60」っていうのもやめて行こうと思ってます。ただ、長い歴史のあるものに対しての「今なのか、過去なのか」みたいなことのメッセージは込めたつもりです。ちょっと皮肉っぽいメッセージなのかもしれないけど。僕なりの60周年の話になったかなとは思っています。
僕が書くものって感動ものの定番ではないんですよ。悲しい気持ちとか「人生ってつらいよね」っていうことを、みんなが感動する定番の物語とは違う形で、笑いがあってハッとする話にしたいなぁと思っています。ウディ・アレンの映画の世界がすごい好きなんです。「人生は無常だけど、やるしかないよね」とか、そういう少し諦めがある所が魅力的で。
逆にキラキラ希望に満ち溢れている話っていうのはあんまり好きじゃないんですが、割とみんなそういうのが好きなので、そこのはざまで悩んでいるところはありますが…
盒:役者さんの中には、希望に溢れた話が好きな人が多かったりしますよね。劇的にしたくなるというか。
早川:でも最終的には自分が好きなものしか作れないので、自分の好きなことを曲げて、ってのは出来ないから、そこを突き通して頑張ろうと思います。
盒:早川さんは「これが見たい」とか「こうしてほしい」とか「こういう人だからこうすると思うんです」っていう事をクリアに言って下さるので、納得してできるっていうのが大きいです。強くイメージを伝えてくれる所が新鮮で。外からの風を吹かせるっていうことはこういうことなんだなって、『UNIQUE NESS』の出演者は全員思っている気がします。
早川:この風を1回で終わらせないでほしい。
僕の野望は青年座の70周年と80周年、90周年、100周年。ここの節目を狙っていきたいなと考えています(笑)。
盒:その頃には東京在住?
早川:僕は大阪に今は居ますけど、東京に行きたいとも思ってるし、大阪にいながらでも東京に呼ばれたら二つ返事でくる用意はできているので、どんどんお仕事お待ちしてます。
盒:ガバメンツに出演するたびにずっと思ってたんですよ。「なんで大阪なんだろう、何で東京にいないんだろう」って。
偶然大阪にいるだけで、大阪の劇団ってイメージがつくのってガバメンツや早川さんにとって、果たしてどうなんだろうって以前から勝手に思ってました。
作風もいわゆるステレオタイプの「大阪」って感じではないですし。今回の『UNIQUE NESS』が何かの足掛かりになればいいなと。
早川:こんなことを言ってくれる人は、僕の妻と母以外では盒兇気鵑世韻任垢茵2搬屋奮阿破佑魄貳屬曚瓩討れる人です。
なので僕も言いますけど、本当にいい女優さん。いい役者、いい人。
………っていうと変な顔するんですよ(笑)怒られますし。
でも本当にそう思ってます。やっぱり人間最後は「この人の為ならやろう」という信頼関係しかないので、盒兇気鵑紡されたんだったらやらなきゃ、という気持ちです。
盒:この作品、幕が開いたら「青年座が青年座らしくないことをやってる」ということで話題になるんじゃないかと思ってるんです。
早川:「Act3D」3つの作品のバランスがすごくいいような気がします。最初に柴幸男さんの『あゆみ』が勢いよく始まって、最後の田村孝裕さんの『台所の女たちへ』はきっと真っすぐにしめてくれる。僕はそのちょうど間ぐらいの変化球って感じがします。
僕、野球では中継ぎが一番好きなんです。中継ぎって地味だけどいないと勝負にならない、先発や抑え投手と違った職人のカッコよさがありますよね。
勿論、ちゃんとしたものを作っている自信は持っています。なのでお客さんにはたくさん来てほしい。『UNIQUE NESS』は大爆笑コメディではないけれども、笑いのあるものはたくさんの人で見てほしい。同じ芝居でも、回ごとに印象もものすごく違うかもしれないし。
盒:本番に入ってからの変化も(コメディや芝居の)醍醐味ですよね。
盒:私事なんですけど、結婚式の余興の台本を早川さんに書いて頂いたんです。その余興の内容がすごくおもしろくて。参列者みんなが本当に楽しんで下さっているのを見て、“やっぱり早川作品のチカラは大きいな”と感じました。
早川:結婚式って人生で基本1回のイベントなので、それをまかせてもらうからには、ちゃんとしなきゃなって思いました。それに大分好いてくれてるのが嬉しい。僕、盒兇気鵑箸凌頼関係はかなり強固なものだと思っているんです。だから、今後の人生で何か頼まれたらちゃんと応えなきゃなって。
盒:私も早川さんから何か頼んで頂けるように精進します。
早川:僕は頼まれたことには断らずに応えていきます。これだけお世話になっているので、恩返ししていきたいです。もし僕が朝ドラを書くことがあったら、ヒロインは盒兇気鵑之茲泙蠅任垢諭
盒:あのう、目ぇ見て言ってもらっていいですか(笑)
◆作品を書く際に意識していることは
早川:無駄な登場人物を作らないってことを基本にしたいなと思ってます。
盒:早川さんの戯曲って基本的にはあてがきですよね。
早川:あてがきってその人の持ってる部分に当てはめて書くって思ってる人が多いですけど、本当のあてがきってその人にこれをやらせたらきっと面白いだろうっていうことだと思うんです。逆にあんなことさせたら面白いんじゃないかとか。今回だと森脇(由紀/ミセス・マクノートン役)さんですかね。僕は彼女を見てると、あの役のあの部分は森脇さんが持ってるものなんだろうなって気がします。
盒:稽古見てて、みんな役柄が自分にきわめて近い部分だから苦戦してるんじゃないかなと思うんです。人の前で出したくない自分を皆が共通でもってるような気がして。
早川:稽古を見ていたら、みんなそれぞれの役柄っぽい所を持っている気がしてきました。
◆演出をする際に意識していることは
早川:どうすればわかってもらえるかは考えています。でも僕が考えているよりもはるかに皆さん柔軟にサッと受け取ってくれる感じがします。特に山野(史人/デイビッド・グレイ役)さんはすごいですね。「こうしてください」って言った時の対応で本当にわかってくれてる人と、ただ単に「ハイハイ」って返事だけの人って見ててなんとなくわかりますけど、山野さんは何を求めているのかすぐわかって下さるので大丈夫だなって思います。
あとは………休憩の、タイミング(笑)。僕の休憩でもあり、皆さんの休憩でもあり。誰の疲労に合わせていくかっていうことも考えたり。
あとあの、僕、後頭部ぶつけちゃうので。それを気を付けてます(笑)
◆『UNIQUE NESS』という作品に込めた思い
盒:青年座が今年で60周年ということで、物語の中でも「60」にかけて下さってるんですよね。“節目”や“原点回帰”という意味も加えて頂きました。
早川:でも今は安易に「60,60」っていうのもやめて行こうと思ってます。ただ、長い歴史のあるものに対しての「今なのか、過去なのか」みたいなことのメッセージは込めたつもりです。ちょっと皮肉っぽいメッセージなのかもしれないけど。僕なりの60周年の話になったかなとは思っています。
僕が書くものって感動ものの定番ではないんですよ。悲しい気持ちとか「人生ってつらいよね」っていうことを、みんなが感動する定番の物語とは違う形で、笑いがあってハッとする話にしたいなぁと思っています。ウディ・アレンの映画の世界がすごい好きなんです。「人生は無常だけど、やるしかないよね」とか、そういう少し諦めがある所が魅力的で。
逆にキラキラ希望に満ち溢れている話っていうのはあんまり好きじゃないんですが、割とみんなそういうのが好きなので、そこのはざまで悩んでいるところはありますが…
盒:役者さんの中には、希望に溢れた話が好きな人が多かったりしますよね。劇的にしたくなるというか。
早川:でも最終的には自分が好きなものしか作れないので、自分の好きなことを曲げて、ってのは出来ないから、そこを突き通して頑張ろうと思います。
盒:早川さんは「これが見たい」とか「こうしてほしい」とか「こういう人だからこうすると思うんです」っていう事をクリアに言って下さるので、納得してできるっていうのが大きいです。強くイメージを伝えてくれる所が新鮮で。外からの風を吹かせるっていうことはこういうことなんだなって、『UNIQUE NESS』の出演者は全員思っている気がします。
早川:この風を1回で終わらせないでほしい。
僕の野望は青年座の70周年と80周年、90周年、100周年。ここの節目を狙っていきたいなと考えています(笑)。
盒:その頃には東京在住?
早川:僕は大阪に今は居ますけど、東京に行きたいとも思ってるし、大阪にいながらでも東京に呼ばれたら二つ返事でくる用意はできているので、どんどんお仕事お待ちしてます。
盒:ガバメンツに出演するたびにずっと思ってたんですよ。「なんで大阪なんだろう、何で東京にいないんだろう」って。
偶然大阪にいるだけで、大阪の劇団ってイメージがつくのってガバメンツや早川さんにとって、果たしてどうなんだろうって以前から勝手に思ってました。
作風もいわゆるステレオタイプの「大阪」って感じではないですし。今回の『UNIQUE NESS』が何かの足掛かりになればいいなと。
早川:こんなことを言ってくれる人は、僕の妻と母以外では盒兇気鵑世韻任垢茵2搬屋奮阿破佑魄貳屬曚瓩討れる人です。
なので僕も言いますけど、本当にいい女優さん。いい役者、いい人。
………っていうと変な顔するんですよ(笑)怒られますし。
でも本当にそう思ってます。やっぱり人間最後は「この人の為ならやろう」という信頼関係しかないので、盒兇気鵑紡されたんだったらやらなきゃ、という気持ちです。
盒:この作品、幕が開いたら「青年座が青年座らしくないことをやってる」ということで話題になるんじゃないかと思ってるんです。
早川:「Act3D」3つの作品のバランスがすごくいいような気がします。最初に柴幸男さんの『あゆみ』が勢いよく始まって、最後の田村孝裕さんの『台所の女たちへ』はきっと真っすぐにしめてくれる。僕はそのちょうど間ぐらいの変化球って感じがします。
僕、野球では中継ぎが一番好きなんです。中継ぎって地味だけどいないと勝負にならない、先発や抑え投手と違った職人のカッコよさがありますよね。
勿論、ちゃんとしたものを作っている自信は持っています。なのでお客さんにはたくさん来てほしい。『UNIQUE NESS』は大爆笑コメディではないけれども、笑いのあるものはたくさんの人で見てほしい。同じ芝居でも、回ごとに印象もものすごく違うかもしれないし。
盒:本番に入ってからの変化も(コメディや芝居の)醍醐味ですよね。
盒:私事なんですけど、結婚式の余興の台本を早川さんに書いて頂いたんです。その余興の内容がすごくおもしろくて。参列者みんなが本当に楽しんで下さっているのを見て、“やっぱり早川作品のチカラは大きいな”と感じました。
早川:結婚式って人生で基本1回のイベントなので、それをまかせてもらうからには、ちゃんとしなきゃなって思いました。それに大分好いてくれてるのが嬉しい。僕、盒兇気鵑箸凌頼関係はかなり強固なものだと思っているんです。だから、今後の人生で何か頼まれたらちゃんと応えなきゃなって。
盒:私も早川さんから何か頼んで頂けるように精進します。
早川:僕は頼まれたことには断らずに応えていきます。これだけお世話になっているので、恩返ししていきたいです。もし僕が朝ドラを書くことがあったら、ヒロインは盒兇気鵑之茲泙蠅任垢諭
盒:あのう、目ぇ見て言ってもらっていいですか(笑)