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撮影=坂本正郁


『地の乳房』の作者 水上勉さんが語る2 〜前編〜


いま私たちはこうして室内で電気をつけて話し合っているけど、
表へ出れば本が読めるほど明るいんですよ。近代建築の最たるものと言われる京都の国際会議場には窓が一つもない。そこで朝から電気をつけて、結婚式や何かやっています。
 その電力はどこから供給されるかと言うと、いまだに火葬場さえない貧しい村、私の故郷から送られているんです。

■都会では人間が極道に

私の村には火葬場がないので、父も母も私が土を掘って埋めた。その母が寝たきりになって私に会いたいと言うんで、しばらく帰って、添い寝をしたりもしたのですけど、もう床ずれが出来ていて痛がる。
着物をまくって手で取ってやれば良いのは分かっていても、やっぱり年寄りでも女だし、臭いしね。
つい弟の嫁を呼んでしまうんです。
嫁はサッと来て、いつも野良仕事をしている手でスッと取って拭いてやる。

 そういうのを見ていると、手を汚して底辺から社会を支えているのは常に女なんだと思いますね。
それに都会の人間には臭いと思うにおいでも村では生活になじんだにおいなんです。
だから都会で生きることは、人間がどこかで「極道」になると思いますね。

 村に風変わりな医者がいて、寝たきり老人を訪問するのを仕事にしている。
その男が「あんたの家は年寄りが幸せだ」って言うんです。
「よその家じゃ、こんなふうな面倒は見てもらえていない」と。



明日に続く・・・。



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『ブンナよ、木からおりてこい』
◆10月12日(日)/兵庫県立芸術文化センター・阪急中ホール/15:00開演
<料金>A席3,000円・B席1,000円
<お問合せ・お申込み>
芸術文化センターチケットオフィス TEL=0798‐68‐0255