ドキュメンタリー映画製作にあたり寄稿された
水上勉さんのコメントをご紹介するシリーズ5回目。
この寄稿文の内容はまさに『地の乳房』で描かれている世界です。

「原発の若狭のこと」その5

若狭は仏教国である。
谷々にたくさんの国宝級の仏像がかくれている。
信心もあつい農民が多くて、私など幼少で寺の小僧に出たのも、
そういう気風があったからである。

寺へ入って、習った思想は、「慈悲」を心内にもつことである。
「無欲、無我」を理想とするところにあった。
いつも中庸の徳をもつよう心がけよ、ともいわれた。

仏徒である師匠は、破れ衣に、破れ草履だった。
そのような気風を風土からもらったので、
美しい山河もいつも心のなかに生々としてあって、
どこで寝ていても日に二、三秒間は、父母のねむる故郷のうかび出ぬことはない。

その美しい国立公園といってよい若狭湾に、(天の橋立は日本三大風景の一つだ)
どうして、こうも、いったん事故があれば、
放射能がまきちらされるという原発ドームが乱立するのだらう。
東京の知人友人にきいても、ちゃんとこたえてくれる人はいない。

誰か教えてほしいものだ。なぜ、辺境にきまって、原発がくるのかを。


その6に続く・・・


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