いよいよ初日まであと1週間となりました。
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(撮影=飯田研紀)


さて『天一坊十六番』の作者 矢代静一さんをご紹介するブログ第2回目。
矢代静一

思い出を長女の矢代朝子さんにお伺いしました。

―戯曲はずっと手書きで書かれていたんですか?
もちろん。父はずっと手書きでしたね。
何回も何回も書き直して。

毎日の紙屑が半端じゃなかったですね。
すごい大きなゴミ箱に原稿用紙がくちゃくちゃになっているのが入ってるんですよ。あと灰皿(笑)。

あと今みたいにメールとかFAXがない時代だから、みんな原稿を取りに来るんですよ。
原稿を取りに来る、送る、打ち合わせを家でやるってことが多かったですね。
今どきのツールがなかった分、人間同士のつながりが密だったかな。
生原稿の時代ですからね。

―締切に遅れたことは?
よく父が言っていましたが。
文学座で書き始めた頃、
所属していた文芸部には上にそうそうたる作家や演出家がいて、
少しでも遅れたりすると、
他の人にそのポジションを取られちゃう、上演してもらえないんじゃないか
っていう恐怖心があったと言ってました。

仲間に嫌われたくないっていうタイプの人でしたから
どなたに聞いても「矢代さんは締切を守ってくれた」って言いますね。

―ご家族に守られながら執筆されていたんですね。
家族中で守っていましたね。
母はいかに父の機嫌を良くして、戯曲を書かせるかを考えていましたね。
(父は)ヤクルトのファンだったんですけど、
負けた時の機嫌の悪さと八つ当たりはすごかったですよ。
だから母はヤクルトに勝ってほしいって願ってましたね。

それとビールを飲ませると機嫌がよくなったんですよ。
私は娘の感覚で、お酒を飲み過ぎるのは良くないって思ってました。
中学、高校くらいの時、母とケンカしたことがあって。
母に「お酒を飲ませない方がいいんじゃない」と言ったことがあるんです。
そうしたら母は「だって飲ませなきゃ書かないじゃない」って。
常に母は父親第一で過ごしていましたね。



次回につづく・・・


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『天一坊十六番』
作=矢代静一 演出=金澤菜乃英
2016年6月10日(金)〜20日(月)
青年座劇場

【料金】一般4,200円/U25(25歳以下)=3,000円
【前売所】
劇団青年座0120-291-481(チケット専用11:00〜18:00、土日祝日除く)
青年座ホームページ→チケット申込みページ
チケットぴあ0570-02-9999 Pコード450-258
ローソンチケット0570-084-003 Lコード33280
0570-000-407(オペレーター対応10:00〜20:00)
イープラスhttp://eplus.jp
  

【お問い合わせ】
劇団青年座 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-53-12
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