『旗を高く掲げよ』

出演者の
松熊つる松×石母田史朗
対談企画 第5回

前回に続き、お互いのことについて話しています。


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撮影=坂本正郁

松熊 (私って)身体も小さくて童顔じゃない。だから若い時になめられちゃいけないって思って、自信がないのに「自分を強く持ってないといけない」って思い込んでたの。「絶対こうだ!」と思ってやってきたところがあって。でも40歳を過ぎた時に、これじゃダメだなと思って。やっと自分が自信がないってことも言っていって。分からないことは分からない。どうもこれ私ダメだなとか。遅ればせながら思うようになってきたんだけど。
石母田 ある意味、僕って信念がないみたいに見えるわけじゃないですか。「お前のやりたいことはなんなんだ」みたいな。でも、それがたとえ間違ってたとしても、なめられちゃいけないっていうのは、俺は羨ましいっていうか、そういう部分も必要なんだろうなって思ってきたけど。ダメなんだよね。性格もあると思うんだけど。
松熊 性格はあるよね。キャスティング発表された時、(平尾)仁さんに「石母田を男にしてやってくれ」って言われたの。私は、史朗ちゃんは男らしいって思ってたから、そう言われたことにびっくりして。そしたら仁さんが「いや、あいつは意外と雑なんだよ」って。そんなとこある?
石母田 仁さんは僕の事を知ってるから、「雑だな」、「細かく考えてないんだろうな」って思って言ってくれるんですよ。で、実際「あ、細かくないな」って。だから仁さんと同じ現場にいると、自分の細かいところが埋められたりするなって。
松熊 言ってくれるからね。
石母田 考えてなかったなって。でも、僕はね、演出家に対しては、意地悪でそんな細かく見なくていいじゃんって思う時があるの。だって書いてあることやってんだからさって(笑)。乱暴な言い方だけど(笑)。
松熊 (爆笑)それ、初めて聞いた。
石母田 だから、それがいつも怖かったりするの。ツッこまれると「あ、それ考えてなかった」とかありますよ。
松熊 それは私もあるよ。パーフェクトじゃないもん、人は。

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撮影=坂本正郁

石母田 僕も、雑なのがいいって思っているわけじゃなく、細かく考えるのは基本だと思っているけど。一方で、細かいことを考えると俳優は必ずそれを表現したくなるんじゃないかなって思ってんの。「ここはこういう気持ちなんだ」って考えた時に、「俺はこういう気持ちなんだ」って表現を絶対しちゃうんだろうなって。でも、そればっかり観せられるのは嫌だなと思ってて。
松熊 あぁ〜。
石母田 だったら考えないでポロっとやった方が、観てる人は想像してくれるんじゃないかって思う部分もある。
松熊 それはある!時に考えてないけど、やってみたらお客さんにそう思ってもらえたって時もあるよね。意外とお客さんに伝わることって多いんだよね。絶対に創造して観てるだろうからね。
石母田 それは自分の経験もあるんだろうけど、いろんな先輩の俳優さんだったりから話を聞いたりすると「そうなんじゃないかな」って。
松熊 なるほどね。あと私たちがやる上で、2人とも童顔じゃない(笑)。与えられた役の年相応に見えるのかなとか(悩む)。
石母田 それはありますね。
松熊 やっぱ役者ってさ、世間からよく言われるんだけど、実年齢から10歳くらい若く見られるじゃない。今回の役が、17歳の娘がいるように見える、説得力のある親像を演じなきゃいけないじゃない?内容的に説得できるようにしていきたい。
石母田 俳優ってさ、そう見えないって言われることが一番イヤじゃないですか。例えば「親に見えない」とか。
松熊 「見えない」っていうのが、一番ダメじゃんって思うんだよね。
石母田 それが一番恐怖だからね。


対談もいよいよ次回が最終回。
お楽しみに!!


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劇団青年座 第227回公演
旗を高く掲げよ 
7月29日(金)〜8月6日(日) 青年座劇場

◆出演者ブログ◆

渕野陽子ブログ→気まぐれ日記
松熊つる松ブログ→つる松のおんがえし
小豆畑雅一ブログ→小さい豆の畑と書いてアズハタです!
嶋田翔平ブログ→shimashow's cafe


<チケット取り扱い>
劇団青年座=0120-291-481(平日11:00〜18:00)
『旗を高く掲げよ』チケット予約フォーム=https://www.quartet-online.net/ticket/hata
電子チケットぴあ=0570-02-9999【Pコード=459-336】
ローソンチケット=0570-084ー003 【Lコード=31820】
           0570-000-407(オペレーター対応)
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