劇団青年座第254回公演
『ぼっちりばぁの世界』
作=竹田モモコ 演出=磯村純
2月15日(木)〜25日(日)@ザ・ポケット

『ぼっちりばぁの世界』いよいよ初日が近づいてまいりました。
公演をより楽しんでいただくため、
青年座初登場の竹田モモコさんにインタビューしました。
聞き手を務めますのは、劇団員の石母田史朗(いしもだしろう)です。

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(竹田モモコ氏)

今回、青年座から執筆の依頼がきた時の率直な気持ちをお聞かせください。

素直にとても嬉しかったです。今回、演出を担当される磯村(純)さんが劇団内で「戯曲を読む会」をやっていらして、そこで私の作品を取り上げてくださったんです。東京の老舗劇団に所属する方々が私の作品に興味を持ち、読んでいただけるなんて嬉しいなと思っていました。そして、しばらくした後に今度は正式に執筆のご依頼をいただき驚きました!ご縁が繋がって本当に良かったです。
これまでイベントなどで20分程度の短篇をオムニバスで提供する仕事は、いただいたことはありましたが、今回のような執筆のご依頼は初めてだったので、嬉しいと同時に「あ、ちょっとやばい。私、大丈夫かな?」と思いました(笑)


そうだったんですね。元々、青年座の作品はご覧になったことはあったんですか。

劇団青年座のことは勿論存じていましたが、作品は観たことがありませんでした。今回のお話を頂いてから、『明日』(明日-一九四五年八月八日・長崎)と『夫婦レコード』を拝見しました。何がすごいってセリフが全部しっかり入ってくるのがすごいですよね。小さな声で喋っていても客席の隅々までしっかり届いている。役者さんたちのテクニックがすごくて、私は感動しました。

竹田さんは、ご自身が活動されているユニット「ばぶれるりぐる」では普段、役者もされていますよね。他所の団体から役者のオファーがきたら出演されるんですか。

実は劇作を始めてから客演の依頼が全くこなくなりました(笑)。「ばぶれるりぐる」※1では役者もやっていますが、やっぱり今は脚本を書くことが好きですね。自分自身、劇作にシフトしているのだと思います。それに役者ってやっぱり大変。コンスタントにお客さんに見られる身体っていうか、見られていることって、すごい大事なことだと思うんです。普段、本ばかり書いていると、身体がガチガチに固まってしまって。でも、自分の公演になったら俳優をしないといけないのはもう大変で・・・。やっぱり常に見られている人、身体を動かしている人、声を使っている人が役者をやるのが本当に一番だなって思います。

私はいつも本を書ける方はすごいって思います。ゼロから作る作業って大変ですよね。竹田さんが戯曲を書く時の着想はどこから出てくるのでしょうか。

普段の生活からですかね。私は演劇活動と並行して会社勤めをしています。もう二十年近く正社員として働いていました。ですが、最近ちょっと身体もついていかなくなり、執筆と劇団と正社員っていうのは無理になってきたんですね。だから少し前、バイトにしてもらったんです。『ぼっちりばぁの世界』でも触れていますが、会社の中のパワーバランスみたいなものって不思議で・・・。閉ざされた空間だけのルールみたいなものがあり、そういう不思議な光景を日々、見ていると「もやっとしたり」。今目の前で起きているおかしな出来事を膨らませてみる。そして、重たくなりすぎないように、面白いワードなどを自分のネタ帳から引っ張り出し、できるだけ自分が言いたいことをバレないようにしたりします。
自分が言いたいことを全面に打ち出しすぎて説教を垂れているように聞こえてしまうとお客様の心が離れていってしまう気がするんです。だから、気持ちとしては説教したいのですが、バレないように書こうと心がけています(笑)。
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そうなんですね。では『ぼっちりばぁの世界』を書くに至った経緯というのもその辺りにあるのでしょうか?

そうですね。これはずっと思っているんですけど、普通の社会人として生活するのって難しいですよね。枠がとても狭いというか・・・一日八時間で週五日間働けて、適切な日常会話ができて、爐いご兇賢瓩里土産をみんなに配れるスキルがあって、なんていうんだろう・・・。会社で上手いように振舞えるスキルって実は本当はみんなすごく大変な事なんじゃないかなと思って。その枠が日本は特に狭いなと思います。そんなことをここ何年かずっと感じていました。そして、今回執筆のお話をいただき打ち合わせをしていく中で、出来るだけ出演者の人数が多めの方が嬉しいとのことでしたので、人数出すなら会社の話ができるなと思い、そこから膨らませていきました。あとは私の特色でもある方言(幡多弁)を使いたいなどの話はしましたが、基本的には自由に書かせていただきました。

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※1 ばぶれるりぐる
2018年旗揚げ。竹田モモコ主宰の演劇ユニット。
竹田の出身地、高知県土佐清水市の方言『幡多弁』によるコントや会話劇を発表している。『ばぶれる』とはだだをこねてあばれる。『りぐる』とはこだわる。という意味。
普遍的な悩みや葛藤を扱いつつも印象はライト。おもわず笑ってしまう劇作を得意とする。日々がんばる大人のための演劇を目指す。

第二回に続く・・・
次回は方言にこだわる理由に迫ります!!


公演情報はこちら↓
『ぼっちりばぁの世界』
2024年2月25日(木)〜25日(日) ザ・ポケット(中野)
https://www.seinenza.com/information/detail/id=341