6a2f2dc1.JPG稽古場での最後の稽古が終わりました。明日から劇場入り、舞台稽古になります。28年前から1000回以上公演して来たこの芝居は、学校公演が多かったからか、子供向けの作品と思われている方が多数いらっしゃいますが、今回はそうではないのです。作家の思いを深く深く掘り下げ、素敵な作品に仕上がったと自負しています。生と死を逃げることなく正面から見つめ、ぶつかり合って来ました。今、こんな時代だからこそ、生きるということを、たった一度の人生を、しっかりと考えてみませんか。60数年好き勝手生きて来た私ですが、この作品と何度も出会いながらも今、新たな発見が有り、生かされて来た喜び、厳しさ、そう喜怒哀楽を噛み締めながら、初日に向け精進致します。余有のない日々ですが、ふと庭を見ると山茶花が一輪咲いています。ごめんネ、気がつかなくて。草花も勢いっぱい生きています。水上作品に接するといつもちょっとやさしい心を拾います。どうぞ見に来て下さい。下北沢本多劇場で蛙たちがお待ちしています。
藤夏子

写真撮影=真野芳喜