
巴里には公園が多い、いたるところに公園があり週末ともなればベンチで本を読んだりサンドイッチを食べながら一日過ごしていたりする。ちょっとした広場もたくさんあって多くの広場で週末は市場が開かれる。これがまた楽しい。アメ横みたいな、祭りの屋台みたいな店が週末になると突然に出現するのだ。魚、肉、野菜、日用品何でも売っている。みんな車で運んできてその前で店を開く。場所は割り振られているのだろう、テントも広場に用意されてるみたいだ。ここではみんな店の人達は本当に良い顔している、自然客も良い顔になる。平日は皆が皆ニコニコしている訳じゃないが、市場は良い顔を見ているだけで凄く楽しい。
先日、日本人の友人と刺身を食おうということになり、市場に行った。鮪、鯖、鯛、鰯、鰊、ニジマスか?見慣れた魚に嬉しくなる。「こんなに遠くまで来てるのか?ご苦労様。」思わずそんな気になる。魚に国籍も国境も無いし大体日本に行った事があるかも知らないが…。で刺身用に鮪を買って来たんだが、目の前で鮪をさばくんだが、ナッテナインダナこれが!。何故皮だけ剥いた後に横にスライスする?解るかな、日本だったら三枚におろして柵で売るでしょ?でっかいハムみたいなスライスなんだわ。「こんなもんで刺身が出来るか?!」ってか「これじゃあ鮪さんもうかばれまい、日本で捕られていたらもっと綺麗な刺身になれただろうに!」などと考えてハムみたいな鮪を買って来た。…美味かった。良い鮪だった。だからこそ勿体無い。日本の魚食う文化は世界一だ、魚屋さんありがとう。まあ尤も家庭で刺身食う国じゃねえからステーキにでもして食うんだろうが。昔、旅公演で先輩に焼肉を食いに連れて行ってもらい、凄く美味いレバー刺しを食わせてもらった時、一人の先輩が自分用にレバー刺しを注文してそれを焼いて食っていて「勿体無いことするんじゃない!」と、おごって貰っているくせに真剣に文句云った事を思い出した。家中さん御元気ですか?確かカルメンで静岡周っている時でした。
段平もパートタイマー秋子も旅公演中だ。日本の美味い魚を食って頑張ってくれることを「枯葉」を歌いながら巴里より願う。
大家仁志
2006年11月21日