
先日は市場に行った時の事を書いたが、学校の授業で各々が師匠に指定された衣装を着てくるというのがあって、俺は銀行の頭取や大企業の社長、でもセンス悪、まあ成金みたいなもんか?モントルイユの蚤の市に出掛けた。ここは巴里でも二番目にでかい市で、駅を降りた時から人の行列が出来ていて、天気も良かったので凄い人出だった。日本からスーツは持って来たんだが、唯のスーツじゃ物足りんのでダブルのスーツでも買おうかとも思ったが、そこまでするのも大変なので、考えた末ベストとネクタイとシャツにこだわることにした。古着屋をのぞく。こっちの市場の古着屋は安い店は特にだが、分けてあったり見易く置いてなんか無い。それこそゴミのようにどこから持ってきたんだか知らんが文字どおり山と積んである。その山から文字どおり掘り出すのだ。宝探しのようで楽しいが良い物が無い時は気が遠くなる。何件も何度も捜して何とか袖がダブルのワイシャツとベストとネクタイを見つけ出した。総額5ユーロ、750円、どうだ?!安いだろ?着古しだけど物は悪くない、ついでにコートも買ったが3ユーロ450円、新品の色が変なジーンズ2ユーロ300円も手に入れた。絶対に10倍はする物ばかりだ。安いものを見つける才能だけは昔からあるんだなこれが!あと玩具の指輪を買った。これも3ユーロだったから何だか一番高くついた気がする。ふと見ると馬鹿でかいトランクを引いた日本人らしき若者がいる。「はは〜、さてはここでちょいとセンス良い衣類買って行ってきれいにして売るんだな?なんたって10倍だし、日本の古着屋は決して安くないからいい物さえ見つけていけば10倍以上で売れるわ。」と感心した。
部屋に帰って来たが何か物足りない、髭か!髭欲しいな。自分の髪を切って付け髭を作った。カフスも無いので作った。凄い変な色のジーンズも何回か脱色したら何だか良い感じの色になった。そのとき間違って脱色してしまったバンダナを破れたジーンズに縫い付けたら何だかカッコイイジーンズになった。仲間に作ってくれと言われた。こっちの若者は皆じゃないが金を使わずに御洒落を楽しむ、メーカーとかブランドとかじゃなくセンス良く似合った物を着ている。日本に居たらこんなことしねえだろうなあ。楽しいな、しかし。
大家仁志
2006年11月25日
※この日記は11月25日に送られたものです。
訳あって本日の投稿になりました。申し訳ありません。